神様修行はじめます! 其の四

―― ズズズズ・・・


揺れるような細かい振動が地面から伝わってくる。


ん? 地震か? と思った瞬間・・・


―― ドォーーーン!


お座りをしているハインリッヒに、突然別のマンモスが思い切り体当たりしてきた。


「うわ! な、なにコイツー!?」


「きゃあ!?」


巨体同士の衝突の煽りを食らってお岩さんが地面に引っくり返る。


巨大なキバがハインリッヒの横っ腹に深々と突き刺さるのを見て、彼女は悲鳴を上げた。


「ハ、ハインリッヒちゃんー!」


「いきなり何なのこのマンモスは!?」


「あんた達! 早くこっちへ来な! 巻き込まれっちまうよ!」


主さんの声に、急いで立ち上がったお岩さんがあたしを抱え起こした。


うぐっ。う、動くと体中が芯までズキズキ痛む。


これ、全身ひどい打ち身状態なんだ。


お岩さんに肩を貸してもらって、歯を食いしばって必死にその場から離れた。


移動しながら振り返ると、ハインリッヒが雄々しく敵を迎え討っている。


お互いの巨大なキバの先端が徐々に相手の皮膚を傷つけ、血が流れていく。


ぶつかりって響く音や足踏みの振動から、見た目以上の強烈なダメージが伝わってきた。

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