神様修行はじめます! 其の四

なんでなんでなんで!? なんでまた失敗!?


だって今回は完璧だったはずだよ!?


自分で言うのもなんだけど、まさに会心の一撃になると思ったのに!


―― ブルンッ!


マンモスが不快感を消すように大きく体を揺すった。


そして小さいけれどキツイ目をジロリと向ける。


怒りのこもった目と目があって、あたしの胸にゾッと冷たいものが走った。


ムダに怒らせて注意をこっちに向けちゃった!


・・・・・・来るーーー!


予想通り、マンモスは鼻を大きく振り上げてこっちへ突進してきた。


あたしは術発動失敗のショックが大きくて身動きできない。


逃げるにしたって間合いが足りな過ぎる。


もう一度力を発動する時間もない。


あっという間に縮む敵との距離。


足元から体内に響く振動が、恐怖の震えと絡み合う。


助かる手立てがない中、見上げる巨体が明確な殺意をもって襲い掛かって来る。


お岩さん。お岩さんだけは守らなきゃ・・・。


無意識にお岩さんの体をギュッと抱きしめ、身を固くする。


それが何の意味もない行為だという事実に、気付く余裕すらも失いながら・・・。

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