神様修行はじめます! 其の四
「アマンダ、ハインリッヒちゃんを先に治療させてくだってありがとう」
「ううん。そんなの当然だよ」
「権田原、お前すげえな。実はオレちょっと感動しちまったぞ」
「・・・あら? あなた泣いてますの?」
「う、うるせえよ」
「分かりますわ。ハインリッヒちゃんの戦いぶりは、真に感涙に値しますもの」
「オレは別にあんたの家畜に感動して泣いたわけじゃねえよ!」
「家畜って呼び方は不本意ですわ! 許しませんわよ!?」
「ちょいとあんた。自分は好き勝手な名前で相手を呼ぶくせに、わがままな娘だねぇ。まったく」
助かった安心感からか、みんなの空気が和んできた。
いつも通りのポンポン軽快な掛け合いを聞きながらあたしも微笑む。
でも顔は笑顔でも、胸の奥には腫れ物のような嫌な不安が残っていた。
そのせいで心からは笑えない。
あたし・・・大丈夫かな?
こっちへ来てから立て続けに術を失敗ばかりしている。
なんでこんなに不調なんだろう。どっか具合でも悪いんだろうか?
そんなあたしの複雑な心境を察したのか、お岩さんが話しかけてくる。
「アマンダ、元気がありませんわね? 痛みますの?」
「あ、ううん違う違う! 大丈夫だよ!」
あたしは首をブンブン横に振る。