神様修行はじめます! 其の四
露見
程なくあたしの治療も済んで、一行は移動を開始した。
元気になったハインリッヒも、あたし達のボディガード役として同行。
仲間として立派に役立ってくれた。
ハインリッヒの背中に乗って移動できれば、すごい楽ちんなんだろうけどなー。
でもさすがのお岩さんもゾウに乗った経験まではないらしいし。
「着いたぞ。ここだ」
「やっと到着? あぁ、良かったぁ」
オデコの汗を拭きつつ、浄火の視線をたどると・・・。
「・・・なに? 行き止まりじゃん」
あたし達の目の前には、大岩が積み重なった崖がそびえ立っていた。
崖っていうより、崩落の災害現場じゃないの?
大量の大岩がゴロゴロと、落ちものゲームみたく乱雑に組み合っている。
それにしてもでっかい岩ねぇ! ひとつひとつが、ふすま三枚分くらいの面積はある!
「行き止まりじゃないさ。岩のすき間を通って中に入って行くんだよ」
「へ!? この中に入んの!? この落ちゲーの中に!?」
見れば確かに、岩と岩のすき間に橋らしきものが見えて奥へと続いている。
あれを渡るの!? あーんなうっすい板っ切れ一枚を!?