神様修行はじめます! 其の四

手に冷や汗をかき、ジグザグに渡っている板の上を慎重に奥へ進んでいく。


下を見ないように意識して、お尻がムズムズする感覚に懸命に耐えた。


ひー、ヒザがガクガク笑うよぉ! 心臓ドキドキするよぉ!


なんだっけ? 『吊り橋効果』だっけ?


恐怖のドキドキを、頭が勝手に恋のドキドキと勘違いしちゃうってやつ。


・・・・・・・・・・・・。


お岩さんと恋に落ちちゃったりしたら、どーしよー!


・・・まだか!? まだこの恐怖アクテビティーコースは終了しないのか!?


「もうあたし、泣くぞ!? 泣いちゃうからね!?」


「アマンダ、さっきからわたくし、なんだか楽しくなってきましたわ」


「お岩さん大丈夫!? なんか、不思議に胸がトキめいたりしてないよね!?」


「どうですかしら? とにかくまったく平気ですわ。ほらほら」


「ぎゃーヤメてー! お願いだからこんな所で激しく屈伸運動しないでー!」


「やかましい娘っ子達だねぇ。そらご覧? 着いたようだよ?」


「え!? 着いた!? ほんとに!?」


半泣きしながら前を見れば、板渡りの道はここで終わっていた。


その先は、これまでが嘘のように平たいしっかりとした岩盤が広がっている。


やったー! 到着ー! 良かったぁ!


今までビクビク歩いていた板の上を、思い切り速攻で、まるで青春のように駆け抜けてしまった。

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