神様修行はじめます! 其の四

オーガンジー素材を幾重も重ねた、ものすごいボリュームスカート。


上半身みっちりと、ピンクの造花で飾られたデザイン。


スカート部分は、一面のスパンコールと大量リボンでキラキラ。


このなんとも言えない、微妙なドレスの主は・・・・・・



「・・・ど、どうも。お岩さんお久しぶり」


「ええ、ジュエルですわ! 良かった、わたくしがお分かりになるのね!?」


「・・・うん。そりゃ分かるよ」



このドレスさえ見れば。


お岩さん以外ありえないもん。このセンスとパフォーマンス。



この人、いつもの事とはいえ、このドレス姿で会議に出席してたのか。


たぶん周りの当主たち、必死になって見ない振りしてただろうな。



「天内のお嬢様、どうかお控えください」


低い、魅惑的な声が聞こえる。


真っ黒な燕尾服に身を包んだ、美貌の青年執事の声だ。



「セバスチャンさん」


「お気持ちはお察しいたします。ですが・・・」


セバスチャンさんは、あたしの耳元でそっとささやいた。


「なにぶん場が悪うございます。永久様の面目がたちません」

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