神様修行はじめます! 其の四
浄火は、泣いている彼の両肩を大きく揺すって問い詰める。
「それで村の皆は、今どうしてる!? その赤鬼はどうなった!?」
「あの鬼は、みんなで捕えた。これから海に突き落として処刑するところだ」
「な・・・・・・!?」
「長の許可を求めに来たが、みんな殺気立っていたから、ひょっとしたら今頃はもうとっくに・・・」
「しま子ーーーーー!!」
あたしは無我夢中で身を翻し、脱兎のごとくに駆け出していた。
今すぐしま子の所へ行かなきゃ!
やっぱり置き去りにするべきじゃなかった!
ごめんなさいしま子! 今すぐ、今すぐ行くから・・・
「待っててしま子ー!」
「こら里緒! お前がちょっと待て!」
後ろから浄火に肩をつかまれ、グイッと引き止められた。
あたしはヨロけて転びそうになりながら、懸命にその手を振り払おうとする。
「離してー! 邪魔しないで!」
「頭を冷やせ! お前、処刑場の場所知ってるのかよ!?」
「お願いだから止めないで! しま子を助けに行かせて!」
「天内の小娘、慌てるんじゃないよ!」
「アマンダ落ち着いて! わたくし達も一緒に行きますわ!」
主さんをネックレスのように首に巻いたお岩さんが、強張った顔で走ってくる。