神様修行はじめます! 其の四
「浄火が滅火の力の持ち主であることは分かったろう?」
因業ババがすまし顔で答える。
「それは一応あたしも分かりました」
「なら、理解できるだろう」
「だから、そこからどーゆー道筋で、結婚話に至るのか? って聞いてるんですけどっ」
「この世でたったふたり生き残った種族の、男と女。結ばれるのが当然だ」
「あたしは絶滅危惧種の動物か!?・・・ですか!?」
なにその頭の悪い理屈は!
同じ一族なんだから、問答無用で結婚させちゃえーってこと!?
動物園のパンダですら、まずはお見合いから始めるってのに!
あたしにはパンダが持ってる権利すら無いわけ!?
「パンダのメスだって、相手のオスが気に入らなきゃ、ただの縄張り荒らしとして攻撃するんですけど!」
「パンダの繁殖事情はこのさいどうでもよいが、信子よ、お前に聞きたいことがある」
絹糸があたしの隣にきて、チョコンと座り込んだ。
そして浄火に向かって、チラリと金色の視線を投げる。
「この浄火なる男、どこから湧いて出た?」
「ふふ。湧いて出るとはまた、ひどい言いぐさだな。」
「天内の血筋は小娘が現れるまで、この世界では確かに絶えていた。間違いない」
「そうだ。浄火はこの世界の者ではない」
「・・・・・・どういう意味じゃ?」
「浄火は、常世(とこよ)島の生まれだ」