神様修行はじめます! 其の四

「浄火が滅火の力の持ち主であることは分かったろう?」


因業ババがすまし顔で答える。



「それは一応あたしも分かりました」


「なら、理解できるだろう」


「だから、そこからどーゆー道筋で、結婚話に至るのか? って聞いてるんですけどっ」


「この世でたったふたり生き残った種族の、男と女。結ばれるのが当然だ」


「あたしは絶滅危惧種の動物か!?・・・ですか!?」



なにその頭の悪い理屈は!


同じ一族なんだから、問答無用で結婚させちゃえーってこと!?


動物園のパンダですら、まずはお見合いから始めるってのに!


あたしにはパンダが持ってる権利すら無いわけ!?



「パンダのメスだって、相手のオスが気に入らなきゃ、ただの縄張り荒らしとして攻撃するんですけど!」


「パンダの繁殖事情はこのさいどうでもよいが、信子よ、お前に聞きたいことがある」



絹糸があたしの隣にきて、チョコンと座り込んだ。


そして浄火に向かって、チラリと金色の視線を投げる。



「この浄火なる男、どこから湧いて出た?」


「ふふ。湧いて出るとはまた、ひどい言いぐさだな。」


「天内の血筋は小娘が現れるまで、この世界では確かに絶えていた。間違いない」


「そうだ。浄火はこの世界の者ではない」


「・・・・・・どういう意味じゃ?」


「浄火は、常世(とこよ)島の生まれだ」

< 33 / 697 >

この作品をシェア

pagetop