神様修行はじめます! 其の四
・・・・・・・・・・・・!
パッと記憶が鮮明になる。
・・・ウツボ! 海であたし達を襲った、あのウツボ!
あの目に刺さるような鮮烈な青色は、あのウツボのウロコだ!
あたしの脳裏にまるで見てきたように、その時の状況が思い浮かぶ。
あのウツボは死んではいなかった。
あのネチッこい執念深さで、この島の海岸まであたし達を追ってきたんだ。
そこへ運悪く子どもが遊びに来て、ウツボに襲われてしまった。
騒動に気付いたしま子は必死に戦った。
なんとかウツボを倒すか追い払うかしたけど、子どもは残念ながら助からなかった。
でも・・・優しいしま子はそのまま放置できなかったんだろう。
血まみれの子どもを抱きかかえ、オロオロしている所を見つかってしまった。
そして犯人扱いされて、捕まってしまったんだ。
きっとそうだ! そうに違いない!
「聞いて! 子どもを殺したのはウツボだよ! 海に棲む大ウツボに襲われたんだ!」
あたしはしま子の無実を大声で訴えた。
でも島の人たちは、あたしの言葉に怪訝な顔をするばかり。
「ウツボ? なんだそれは?」
「海に棲む大ウツボ? 何を言ってるんだこの娘」
「なにって、だから青い色のウツボが・・・!」