神様修行はじめます! 其の四

「で・・・でも本当なんだもん!」


「口だけなら、なんとでも言える」


こ・・・・・・


こんのやろぉ! 呪いの市松人形みたいな前髪パッツンのくせに!


あたしは、串刺しにしそうなほど思い切り戌亥を睨みながら叫んだ。


「それを言うなら、しま子が子どもを襲った証拠だって無いじゃん! あんた、その現場を見たの!?」


「いや。見ていない」


「でしょ!? だったら・・・!」


「だが、ウツボの姿も見ていない。それに対してその赤鬼は現実に、いま目の前にいる」


「そ、それは・・・!」


「しかも、死んだ子どもの体を抱えていたんだぞ?」


戌亥は大袈裟な態度で、村人たちを見回しながら叫んだ。


「どうだみんな! どっちを信じる!? 見たこともない化け物と、ここにいる鬼と!」

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