神様修行はじめます! 其の四
「この・・・人殺しぃぃーーー!」
突然、空気がビリビリするような金切り声が聞こえた。
子どもを殺された母親が、あたしを恐ろしい形相で睨みつけて叫んでいる。
今にも血の涙を流すかと思うほど真っ赤な目。
鬼か悪魔そのものの鬼気迫る様子に、あたしはたじろいだ。
「この人殺しめ! 人殺しぃぃー!」
我を失い、絶叫する声に理性は無かった。
気圧されたあたしは、それでも何とか息を整え声を振りしぼる。
「ち、違います! しま子は殺していませ・・・!」
「お前が連れて来た異形が、この子の命を奪ったんだ!」
「・・・・・・・・・・・・!」
彼女の言葉が、あたしの胸を貫いた。
あたしが連れて来た・・・・・・異形?
あのウツボは、あたし達の後を追ってこの島へ入り込んだ。
島民が存在を知らないという事は、今までそんな事は一度もなかったんだろう。