神様修行はじめます! 其の四

「よせ! なにするんだやめろ!」


浄火が母親のそばへ駆け寄り、石を振り上げる手をつかんだ。


母親は抵抗してわあわあ泣き叫ぶ。


「この子は殺されたのよ!? なのに、こっちは石を投げる事も許されないの!?」


母親を囲んでいる人たちも、ぼそぼそと恨みの言葉を漏らした。


「・・・勝手に俺達を遠ざけて見捨てたくせに、今度は勝手に入り込んで来やがって」


「そうだ。よそ者のくせに」


「よそ者のせいだ。これは全部、よそ者が悪いんだ」


彼らの言葉は重く、降りそそぐ石つぶてのように痛かった。


それは、そもそもこの人たちが最初に宣告された言葉。


『お前たちは神の一族ではないのだから、こっちへ来るな、向こうへ行け』


そう宣告され、追い払われたその場所に・・・。


のこのこと現れた神の一族の者。


・・・・・・・・・・・・。


あたしは、バカだった。

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