神様修行はじめます! 其の四
閉鎖された特異な空間に、いきなり開けられた風穴。
その内側が、ただで済むはずもない。
事実、異変は起きた。
その結果・・・・・・人が、死んだ。
この現実はあたしのせい。
深く考えもせずに、常世島行きをお岩さんに提案した、あたしのせいだ。
あたしの、あたしのせいで子どもが、死・・・・・・
―― ガツッ ゴツッ!
「・・・・・・!」
鈍い音に、あたしは我に返った。
人々がまた、お岩さん目掛けて石を投げ始めている。
うずくまる体に石が当たるたび、ゴツゴツとひどく硬い音が響いた。
あたしは悲鳴を上げて、お岩さんのそばに足を引きずりながら近寄る。
そしてお岩さんの体の上に覆いかぶさった。
「やめてー! お岩さんのせいじゃないの! あたしのせいなの!」
「違う! 誰のせいでもねえよ! みんなやめろ! やめてくれ!」
必死に制止しようとする浄火に、島の人たちは冷たい目を向けた。
「浄火、なんでそいつらを庇うんだよ」
「そうだよ。そいつらはあちら側の奴らだぞ?」
「お前はどっちの味方なんだよ」
「どっちもこっちも、味方も敵もねえだろ!? みんな目を覚ませよ!」