神様修行はじめます! 其の四
シン・・・とみんな静まり返ってしまった。
反論する者も無く、主さんの言葉に耳を傾けている。
「ただ、その子を悼んでおやりよ。その子のために泣いておやり」
主さんは母親へも、穏やかに語りかけた。
「あんたの痛みは理解できる。でもねぇ、その苦しみはあんた自身のものだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「自分の怒りに、その子を取り込んじまっちゃあ、いけないよ。逝く者を惑わしてはいけないんだ」
母親がハッと目を瞬かせる。
あたしの胸にも、その言葉は深く染み入った。
・・・逝く者を・・・・・・
惑わしては、いけない・・・・・・。
母親の頬がふるふる震え、涙がボタボタとこぼれ落ちる。
ギュッと両目を閉じ、歯を食いしばって我が子を強く抱き寄せた。
閉じた唇から・・・ひぃひぃと細い嗚咽が漏れる。
やり場のない悲しみに身悶えるその姿を、主さんの赤い瞳が憐れんでいた。
「あたしにも弔わせておくれ。せめて、その子の体に魔がとり憑かないように・・・」
背中の金色の筋が柔らかく輝き出した、その時・・・
―― ドガッ!
(・・・・・・・・・・・・!?)
なにが起こったのか訳が分からず、あたしはビクッと硬直した。