神様修行はじめます! 其の四
目の前でのた打ち回る主さんの姿を、ぼう然と凝視する。
主さん・・・・・・?
主さんの・・・体に・・・・・・
ナイフが深々と突き刺さっている!?
「主さあぁぁーーーん!!」
「クリスティーヌちゃん!!」
呪縛が解けて、あたしとお岩さんが絶叫した。
そしてふたりで這うようにして主さんの元へと駆け寄る。
「主さん! しっかりしてー!」
主さんは、もんどり打って苦しんでいた。
声も出せずにビクビクと震える主さんの白い体が、どんどん血で染まっていく。
ルビーのような目が無機質に光って、痙攣するようにわなないた。
あたしもお岩さんも混乱しながら悲鳴を上げ続ける。
ああ・・・! 主さん! 主さんーー!
なにが!? なんで!? どうしてこんな!?
「『惑わすな』だと? 異形め。偉そうに知った風なことを」
「・・・・・・戌亥!?」
手首をぷらぷらと動かしながら、戌亥が冷徹な目で主さんを見ている。
そして忌々しそうに吐き捨てた。
「お前こそ、おれ達を惑わすつもりだろうが」
「あんたが・・・あんたがナイフを投げつけたの!?」
「当然だ。おれは異形の脅威から島の皆を守る義務があるからな」
「ば・・・・・・!」