神様修行はじめます! 其の四
ばかやろぉぉぉーーー!!
主さんは・・・主さんは攻撃する能力なんて持ってないんだよ!
退魔の力で、遺体に依り付く異形から守ってあげようとしたのに!
「それを・・・それを、あんたはぁぁ!」
「異形がおれ達を守ってくれる? ・・・お前、気は確かか?」
ハハッと片頬を歪ませ、さげすんだ表情で戌亥は笑った。
そして細い両目をカッと見開き、あたしに向かって悪意に染まった顔を突き付ける。
「子ども殺しの異形を連れ込んだ女の言うことを、誰が信じるか」
「・・・・・・!」
(子ども、殺し・・・・・・)
えぐられる様にズクンと心臓が痛んだ。
顔色の変わったあたしを見ながら、勝ち誇ったように戌亥は演説する。
「みんな良く見ろ! このヘビは、美しい姿で人間を惑わそうとする異形だ! 異形だ! 異形なんだ!」
あ然として状況を見守っていた島民たち。
血を流し、のた打つ主さんの姿を見て、目が覚めたように戌亥に同調する。
「そうだ・・・よな? このヘビは異形だ」
「なんてこった。この島へ次々と異形が入り込んでいるぞ」
「その通りだみんな! そして、その全ての異形を島へ連れ込んだのは・・・!」