神様修行はじめます! 其の四
裏腹な気持ち
しま子は憤怒の表情で牙を剥き、血走った目でギョロリとこちらを睨みつける。
ソロソロと後退していた島民たちが、飛び上がるほどビクッと身を震わせた。
みんな恐怖で足が竦み、身動きできない。
腰を抜かしている者もいる。
しま子は自分の力と怒りを誇示するようにズゥン! と地を踏み鳴らし咆哮した。
「がああぁーーー!!」
「しま子、待って! 落ち着いて!」
あたしは立ち上がり、足を引きずりながら大急ぎでしま子へ近寄った。
本気で怒ってる! あたしに危害が加えられたのを見て、ぶち切れちゃったんだ!
みんなを攻撃するかもしれない!
そんな事になったら・・・もうお終いだ。止めなくちゃ!
「しま子、あたしは大丈夫だから・・・」
「うがあぁぁ!」
「しま・・・・・・!?」
―― ブウンッ!
しま子がいきなりあたしに向かって、大きく腕を振り下ろした。
危な・・・・・・!
あたしはヘタンと尻もちをついて鬼の爪から難を逃れ、しま子を見上げる。
しま子!?