神様修行はじめます! 其の四
これは、『あたしの』結婚話なんだよね?
なのに本人の意向を完全無視って、ありえなくない?
そこが一番重要な問題なんだよ。
そう、あたしがこう言いさえすれば、すぐにこの件は終了すべきなの。
「あたしは、この人と結婚なんかする気はありません。お断りします」
―― ザワザワザワ・・・!
途端に、大広間中に盛大なざわめきが走った。
あたしがビビってしまうくらい、場がドヨドヨと混乱している。
当主たちは全員、言葉で言い表せないような驚愕した顔であたしを見ていた。
「当主会議の命令に、逆らうだと?」
「気でも狂ったか。何様のつもりなのだ」
命令? いや、何様って言われても・・・。
あたしは目を丸くしてキョトンとするばかり。
そんなあたしの反応と、当主たちの反応を見比べながら、仲間たちが小さなため息をつく。
「だから逃がしたかったのに・・・」
凍雨くんの悔しそうな小声が聞こえた。