神様修行はじめます! 其の四
子どもを殺したのは、断じてしま子じゃない。
でもあたしの考え無しの行動のせいで、この悲劇が起きてしまったんだ。
主さんまで巻き込んで、命の危機に追いやって。
しま子は、その全責任を被って犠牲になろうとした。
・・・・・・言いたいのに。そこまでちゃんと全部説明したいのに。
声を出そうとすると、泣きそうになってしまって。
泣いて済む問題でも責任でもない。それ、よく分かってるから泣きたくない。
なのに。なの、に・・・・・・。
震える唇に力を込めて、懸命に泣き声を耐えた。
ひたすら鼻を啜って下を向き続ける。
顔を上げて、門川君が今どんな表情をしているのか・・・・・・。
それを知るのが、とても怖かった。
「ふん! どんな言い訳をしたところで、子どもを殺したのはそこの赤鬼に決まってる!」
「よく見よ。お菊人形」
「さっきから誰がお菊人形だ! この化け猫め!」
「この傷は鬼の爪ではないわ。まさにウツボの噛み傷であろう」
絹糸が子どもに近寄り、傷口を確認しながら匂いを嗅いでいる。
「異質な気配を感じる。特殊な海に住む異形の仕業か・・・」
「仲間内同士でかばい合おうったって、そうはいかねえぞ!」