神様修行はじめます! 其の四
門川の当主。王者の象徴。
でも『よそ者』であるこちら側では、向こうの常識は通用しない。
あの圧倒的な門川の威信が・・・ここではまったく無意味に近いんだ。
「子どもひとり死んだ分と同等の責任は、きっちり取ってもらうぜ!」
胸を張って主張する戌亥の顔に、書いてある。
『あちら側の一番偉い人物を、この自分がやり込めている。どうだ? みんな!』
戌亥は自分の力を誇示するために、門川君が自分に従うところを、皆に見せたいだけなんだ。
「そっちにもひとり、死んでもらおうか。こちらの要求はその赤鬼だ!」
「いや、断る。しま子にも誰にも責任など無い」
最高潮な戌亥に向かって、あっけらかんと門川君は言い切った。
「・・・・・・は?」
「不条理な死の要求など、僕は承服しないと言っている」
一瞬絶句して、戌亥はポカンと門川君の顔を眺める。