神様修行はじめます! 其の四
しょせん現世の人間。
また、その方向へ話をもっていく。
あたしの弱みに付け込んで、反論を封じ込めようとするんだ。
「だが我らは違うぞ。この世界を・・・ひいては当主様のことを、一番に考えている」
因業ババがそう言って門川君に向かい、深々と平伏した。
他の当主たちも全員、次々とヒザを付き、いっせいに門川君に平伏する。
「我らこそは、真の忠臣。決して命令に逆らうことなどいたしませぬ」
「いかな命令であっても、身も心も、命さえも門川と当主様にお捧げ申す」
「絶対の忠誠を誓いまする」
大広間中に、当主たちの声が朗々と繰り返される。
あたしはその場に突っ立ったまま、成すすべも無くその光景を眺めるしかない。
こんなのってない。
あぁ、これじゃあたし、もう何も言えない。
ここで「それでも嫌だ」なんてゴネたりしたら、完全にこっちの方が悪者だ。
本当に反逆者扱いされてしまう。
・・・誘導されたんだ。ババに。
当主たち全員をうまく利用して、場の空気を操った。
これは言霊の術。蜘蛛の糸だ。
またやりやがったなぁ! こんのババぁーーー!