神様修行はじめます! 其の四
ばかなのは、あたしだ。
どうしようもないくらい、アホで、マヌケで、たわけで、トンマだ。
おまけに超一流の単細胞だし、無鉄砲。
自分で言うのもなんだけど、救いようが無いレベルだと思う。
なのに・・・・・・
しま子は、こんなあたしを好きでいてくれる。
すごくすごく大切に想ってくれている。
だからこそ、命を捨てる覚悟までしてくれた。
その気持ちが痛いほどに、泣けるほどに、嬉しくて切なくてたまらない。
好きだからこそ。
好きだからこそ・・・・・・。
「天内君」
後ろから聞こえる声。
あたしの泣き声が、止まった。
土を踏む音が近づいて来る。
「足をケガしているのか? 見せてみたまえ」
しま子が、そっとあたしから離れる。
あたしはゆっくりと後ろを振り返った。
そして涙でグチャグチャの顔を上げ、彼の名前を呼ぶ。
「門川君・・・・・・」
「治してあげよう。足を出して」
彼の冷たい手の平が、あたしの足首に触れた。