神様修行はじめます! 其の四
「うるさいねぇ。大声は遠慮しとくれよ。傷に障るじゃあないか」
不機嫌そうな声が聞こえた。
いつの間にか主さんが、あたし達の足元に近寄っている。
「あ、主さん! 良かった! 元気になったんだね!?」
「ご覧の通り生きてるよ。門川の坊や、久しぶりだね」
門川君も奥方の反乱事件以来の、主さんとの再会だ。
彼は静かに主さんに向かって目礼する。
「その節は大変世話になった。なのに今まで正式な礼もできず、面目ない」
「いいよ別に。今回の件で帳消しにしてあげるさね」
飄々とした、明るい江戸っ子姐さん口調も軽快だ。
本当に大丈夫みたい。あぁ、良かった・・・!
絹糸も主さんに向かって頭を下げる。
「白妙よ、迷惑をかけて済まなんだ。許せ」
「ふんっ。許して欲しいんだったら、あたしをその名で呼ぶんじゃないよ」
「白ヘビ、すまん。戌亥のヤツが大変な事をしちまって」
浄火が主さんに深々と頭を下げて謝罪した。
「白ヘビも、赤鬼も、本当にすまなかった! 本当に申し訳ねえ!」