神様修行はじめます! 其の四
「僕は皆の意見を全て、もっともだと思う」
なんの感情も見えない、淡々とした彼の言葉が心臓に突き刺さった。
ズクンと激しく痛んで、胸の奥がギリギリする。
足元に座った絹糸が、無言であたしをじっと見上げていた。
『耐えろ。永久の立場を分かってやれ』 と。
・・・・・・・・・・・・。
うん。無理もない。とは、思う。
確かに門川君の立場なら、今はそう言う以外ないと理解できる。
できるよ。できるけど。けど。
けど・・・・・・。
言いたいことを口に出せずに、唇をキュッと噛みしめた。
ノドの奥から、何かの塊が込み上げてくるみたいで苦しい。
床の木目がじんわり霞んで見える。
あ、やば・・・泣くかも・・・・・・。
「だが僕は、天内君を手放したくない、とも思う」
・・・・・・・・・・・・!
あたしはとっさに顔を上げ、門川君を見た。
冷えていた胸の奥にパッと血が通って、小さな熱が生まれる。
「彼女は僕を支え続ける、いわば僕にとっての道しるべのようなもの。大切な存在なのだ」
あたしは息を飲み、口元を両手で覆った。
門川君! 公式の場で、そんなにはっきりと断言してくれるなんて!