神様修行はじめます! 其の四

慌てて門川君の腕を引っ張り、崖の端へと向かう彼を止めた。


村はそっちじゃないよ! そっちは死出の旅路に一直線だってば!


「・・・・・・・・・・・・」


彼は自分の眼下に広がるオーロラの海を、無言でボーッと眺めている。


そして数回まばたきして、あたしを見た。


「・・・・・・天内君」


「な、なに? 門川君」


「何をしている、こっちは海だぞ? 君、しっかりしたまえ」


あんたがな!!


門川君は何事も無かったように、絹糸たちの方へとスタスタ歩いていく。


な、なんなの? あの様子は・・・。


彼の背中をあ然と見送るあたしに、お岩さんとマロさんが呆れたように呟く。


「あんな永久様は初めて見ますわ・・・」


「なにやら、非常に鮮烈なる衝撃を受けたようにおじゃるが」


「ええ。情報を脳が処理しきれないようですわね? 容量オーバーしているようですわ」


容量オーバー? 

ショートして安全装置が働いて、ブレーカーが落ちたってことかい?


・・・安全装置が働いて海に突っ込みそうになってりゃ、世話ないけど。


しっかし、彼の大容量の脳がショートするほどの強烈な衝撃って・・・


衝撃って・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・。。


嫉、妬・・・?

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