神様修行はじめます! 其の四
やっぱり門川君、嫉妬してくれてる・・・
の、かな? だよね? たぶん、きっとそうだよね?
恋愛面に関しては肩透かしばっかり食らってるもんで、自分の判断に自信がもてない。
たぶん・・・彼にとって生まれて初めて感じる、心乱される感情。
その感情の中心にいる、あたしっていう存在の意味を改めて認識し直している。
って段階なんだと思うんだけど。やっぱり自信ない。
捕らぬ狸の皮算用、だっけ? 思い込んだ後でぬか喜びするのは怖いし。
それに・・・・・・。
「天内君、なにをしている早く来たまえ!」
「里緒、なにしてんだ早く来いよ!」
ふたり同時に同じことを言って、同時に顔を見合って、同時にバッと顔を背ける。
反発し合ってるくせに、息ぴったりシンクロしてるのが妙に笑えるけど。
笑ってばかりもいられない。
・・・浄火の気持ちは、とても嬉しいんだ。
浄火はいいヤツだし、あたしの事を真剣に思ってくれているんだろうと思う。
でもあたしが好きな人は・・・門川君。
この気持ちを、浄火に対してどう伝えればいい?
好きになった相手から
「自分が好きな相手は、あなたじゃない。別の人だ」
なんて言われるのは、ものすごく辛い。すごくすごく傷付く。