神様修行はじめます! 其の四
以前、初めてお岩さんの存在を知らされた時。
門川君とお岩さんの、親密な関係をこの目で見た時。
あたしは傷付いて、言葉にできないほど苦しんで、本気で泣き喚いた。
あの心が千切れる様な苦しみを、あたしが浄火に与える事になるの?
それは・・・・・・。
「アマンダ、永久様が呼んでますわ」
「里緒殿、さあ」
「あ・・・・・・う、うん」
お岩さんとマロさんに促されて、あたしは歩き出した。
門川君と浄火が近づいて来て、それぞれあたしの両横にピタッと付く。
そのままがっちりサポートされながら、三人並んで先へ進む。
・・・なんかあたし、SPに要人警護されてるみたい。
ソッポを向き合ってる門川君と浄火の姿を見たら、一気に心が重苦しくなってしまって・・・。
ムッツリ黙り込んでるあたし達の様子を、マロさんが気がかりそうに見ている。
そうだ。塔子さんの一大事って時に、こんなトラブル抱えてる場合じゃない。
チームワークで乗り切らなきゃならないんだ。
だからとりあえず、今のところはこのままでいいよね?
別に浄火から逃げてるわけじゃないよ。問題を先送りにしてるわけでもないし。
・・・・・・問題?
あ、そういえばあたしが、術の発動を失敗し続けているのって、まさか・・・。