神様修行はじめます! 其の四
扉の前に並び、夜目の利く絹糸を先頭に順に中へ進んでいく。
仕掛け穴の中は、より一層灯りが抑えてあってずいぶん暗かった。
デコボコした足場は歩きにくいし、暗くて怖いし、よく見えないし。
あたしは前を歩くマロさんのアキレス腱を何度も後ろから蹴り上げて、悲鳴を上げさせてしまった。
「ひえぇっ でおじゃる!?」
「あ、ご、ごめんマロさん!」
「よ、よいのでおじゃる。おぉ、ようやく前方から明かりが・・・」
明かり? 良かった。このままだとマロさんの足を青アザだらけにするところだった。
マロさんの言う通り、進行方向から柔らかい光が差し込んできた。
進むにつれて光はどんどん白さを増し、通路内を照らしていく。
この明かりはロウソクの明かりじゃない。たぶん外界の光だ。
この通路は外へ繋がる道だったのか。
ずっと闇の中にいたせいか、明るさが目に染みて痛い。
目を細めながら洞窟の出口に到着して、あたし達は全員、やっと外へと出た。
そして全員、目の前に広がる光景に一斉に目を見張る。
「な、なに・・・? これ・・・?」
白い絵の具で染め抜いたような、真っ白な見渡す限りの岩場。
無数の噴気孔から噴き出す蒸気も、白。
地面からあちこちボコリと音をたてて湧き出す液体も、やはり白色。
一面に広がる、白い空間。それは・・・・・・
マンモスの墓場、だった。