神様修行はじめます! 其の四
どこまでも白一色の世界に、膨大な数のマンモスの死骸が横たわっていた。
大量のマンモスの巨大なキバや骨が、数えきれないほどゴロゴロしている。
まだ骨になりきっていない、ほぼミイラ化した死骸もあった。
(うわ、これは何とも・・・すごい!)
死骸の山だから、とうぜん凄惨な光景なんだけど・・・
白い空間の中に静かに眠るマンモスたちの姿は、どこか厳粛にも見えた。
終焉の場に集った、命果てた者たちの有り様に、あたしは息を飲む。
半ば感動しながら思わずつぶやいた。
「すごい・・・象の墓場って、本当にあったんだね・・・」
「そんなものがあるわけないだろう」
昂ぶったあたしの感情に、淡々とした門川君の声が水を差す。
「象の墓場など、ただの都市伝説だ。現実には存在しないよ」
「え? そ、そうなの?」
「公営墓地の運営でもあるまいし、なんで象がわざわざ一箇所で死ななければならないんだ」
「じゃあ、これはいったいなんなの?」
墓場とでも考えなきゃ、この死骸の数は不自然過ぎるよ。どう見ても。