神様修行はじめます! 其の四
「墓場ではない。となれば、ここに死骸を集めた者がいるという事だ」
「集めた者って・・・・・・」
「おい、まさか長がこれを?・・・」
浄火が茫然として白い光景を眺めている。
確かにこの場所を知っているのは、長さんだけなんだけど。
でも、じゃ、なにかい?
歴代の長って、マンモスの死骸集めが職務なわけ?
・・・いやいや、それはちょっと。
蝶の標本なんかも、とどのつまりは死骸コレクターだけどさ。
蝶はともかく、マンモスはないでしょ? そもそも集めてどーすんのよこれ。
「ただの人間にこんな芸当は不可能じゃよ。むろん、趣味でやっとるわけでもなかろう」
「絹糸、どうだ? なにか感じるか?」
「よく分からぬ。はっきりした気配は感じられぬが」
「あたしも、うさん臭い感じはしないけどねぇ」
門川君と絹糸と主さんが、抜け目なく周囲を警戒している。
・・・と、いうことは・・・。
「これって異形のモノの仕業なの?」
でもこの島に住む異形は、マンモスぐらいのもんじゃなかったの?
そのマンモスを喰う異形がここにいるってこと?
「そんな化け物がいるのか? ・・・長のばーちゃん、どこだ!?」
浄火が顔色を変えてバタバタと駆け出した。