神様修行はじめます! 其の四

「こんな時の門川君の言うことは、大抵正しいんだよ! ムカつくけど!」


「ああ確かにな! その澄ましたメガネヅラで正論かまされると、本気でムカつくぜ!」


浄火の怒りは収まらない。


というか、あたしが門川君の肩を持つのが余計に気に食わないのかも。


でもあたしは彼の護衛なんだもん!


彼に危害が加えられるのを、ポケッと見てるわけにはいかないよ!


「とにかく落ち着いて! ね!?」

「里緒、そこをどけ!」


浄火があたしの体をどけようと手を伸ばす。


すると門川君がすごい勢いであたしの腕をつかみ、グィッと引っ張った。


うわ!? と引っくり返りそうになったあたしの体を、彼が両腕で抱き止める。


「よせ」


殴られて切れた口の端から血を流しながら、門川君が言った。


「君は天内君に触れるな」

「・・・・・・!」


浄火の荒々しい顔つきが一瞬で変化した。


傷口に塩を塗られたように辛そうな表情になる。


そしてあたし達を見たまま、何も言えなくなってしまった。


重い沈黙が流れる。


浄火、門川君は・・・・・・


嫉妬や意地悪で言ったわけじゃないんだよ。


浄火との接触で、あたしに害が及ばないようにって。


それは当然の配慮なんだ。


なんだけど・・・・・・。

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