神様修行はじめます! 其の四
門川君にしっかりと抱き止められた、あたしの体。
それを離れた場所から見ている浄火の目が。
その目が、本気で傷付いていて。
ものすごく悲しそうで。
あたしの胸も、たまらなく痛くなって・・・・・・
泣きそうになった。
「長よ、信子の娘は、それからどうなったのじゃ?」
絹糸が長さんに話しかけた。
「ここからが肝心な話じゃ。我らはとにかく、正確な情報を数多く知る必要がある」
誰に言うともなく絹糸が言った言葉だけど。
たぶん一番伝えたかった相手に、ちゃんと伝わったらしい。
「・・・赤鬼、すまん。もう大丈夫だ」
浄火が、自分の体を押さえているしま子にそう言った。
長さんは、そんな浄火を罪悪感に満ちた目で、苦しそうにじっと見ている。
「長よ、信子の娘が異形に変化したのは、あの水を飲んだせいなのか?」
水を飲んだ者は、皆、異形となる末路なのか。
浄火を前に聞きにくい質問を、絹糸がズバリと聞く。
聞きにくいけど、うやむやにしていられない。それはものすごく重要な事だから。
「・・・・・・違う」
長さんは、言いようのない表情で首を横に振った。
「あれは・・・あの男の、父親のせいだ」