神様修行はじめます! 其の四

『やめて! やめてえぇぇーーー!』


『やめて欲しくば、言え。この水はどこで手に入れた?』


『そ、それは・・・!』


言いよどむ信子の目前で、父親は子独楽の口元のツボを傾けようとする。


子独楽は泣きながら必死にアゴを引き、父の手から逃れようとした。


『いやだ! もういやだ! 助けて!』


『こ・・・子独楽あぁ!』


『おかあさん助けて! おかあさん助けて! おかあ・・・!』


―― グィッ


泣きわめく娘の口に、無情に白い液体が注ぎ込まれる。


父親が、事もなげに囁いた。


『・・・まず、一口め』


子独楽の白いノドがゴクリと震え、両目からボタボタと涙が落ちた。


縛られて身動きできない全身が細かく痙攣し始める。


信子の息が止まり、これ以上ないほど恐怖に引きつった目で娘を見つめた。


『ぐぅ・・・が・・・あ・・・』


子独楽が、少女とは思えぬ低い声を漏らした。


痛みなのか、苦しみなのか、衝撃なのか。


おそらくその全てによって目から光が失せ、意識が遠のきかけて・・・


次の瞬間・・・


子独楽は首を仰け反らせ、信じられない絶叫を放った。


『こ・・・子独楽ーーーーー!』

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