神様修行はじめます! 其の四
ずっと島に隔離されてきた島の人たちが、能力だけは手に入れたところで・・・
膨大な異形のモノに対する知識も無い。
高度に訓練された戦闘技術も無い。
ノウハウの全く無い彼らに、世界は守れない。
異形が蔓延り、神の一族どころか、世界そのものが滅び去ってしまう!
ヤバイよそれ! また世界の危機だ!
「因業ババって、それに気付いてないのかな!?」
「信子は決して、そんな愚かな女では無い。だが・・・傷付き過ぎた」
長さんが虚しそうな声で言う。
「あの男が、信子を不条理の道へ押し進めてしまったのだ・・・」
・・・止めなきゃならない! 何とか手を打たなきゃ!
『不条理』を、『道理』として受け入れるわけにはいかないんだ!
それに、島の人たちだって異形に寄生されてて良いはずがないもん!
「今は娘を人質にとられているゆえ、信子のやつも、いきなり派手には動かぬじゃろう」
「ああ。信子長老の娘には悪いが、今はそれが唯一の救いだな」
「うん。そうだね。 ・・・・・・あっ!」
絹糸と門川君の意見に同意しつつ、あたしはハッとした。
ある事実に気付いて、顔からサーっと血の気が引いていく。
あ・・・あ・・・あたし・・・・・・。
「ハイ、あの・・・門川君・・・」
「どうした? 天内君」
恐る恐る右手を挙手するあたしに、門川君が怪訝そうな顔をした。
「あの・・・あの、あたし・・・」
「なんだ?」
「あたし、子独楽ちゃんの封印、解いちゃった・・・・・・」