神様修行はじめます! 其の四

―― シーーーン・・・・・・。


一瞬、もんのすっごい気まずい沈黙が流れた。


し・・・死ぬほど痛い。この空気・・・。


お岩さんと主さんが顔色を変えて、「あっ!」と同時に叫び声を上げる。


あたしは両手の指をモジモジ絡ませ、泣き笑いの表情で白状した。


そ、そうなの。あの海岸で、お別れした時ね。


あたしね、子独楽ちゃんの首輪、壊しちゃったのよ。


つまりね、つまり、子独楽ちゃんて今・・・


「晴れて自由の身なの・・・・・・」


「何をやっているんだ! 君は!」


門川君に目を剥いて怒鳴られて、あたしはギュッと縮こまる。


だ、だってだってだってぇ!


仕方ないでしょ!? ヘビ少女が可哀想だったんだよー!


あの時は、こーんな複雑な事情だなんて知らなかったんだもん!


「君は今、力を発動できないんじゃなかったのか!?」


「対象が小さかったし、いつもとは違う力の使い方だったから、珍しく大成功しちゃいまして・・・」


「教えた事は出来ないのに、なぜ教えない事だけは一発勝負で成功させるんだ君は!」


「す、すみませんーーー!」


「やれやれ・・・。ほんにこの小娘は、予測不能なことをやらかしてくれるわい」


ううぅ・・・返す言葉が無い。


あたしってとことん、変な部分で器用なのね・・・。

< 475 / 697 >

この作品をシェア

pagetop