神様修行はじめます! 其の四
「そうとなれば、一刻の猶予も無いな」
「娘が解放されたと知れば、信子のやつめ、本気を出してくるであろうな」
「ちょいと、あんた。ちゃんと分かってるだろうね?」
主さんが長さんに念を押した。
「あんたの口から、村の皆にちゃんと説明してもらうからね?」
長さんは暗い表情で押し黙ったまま、うなづいた。
・・・長さん、やむにやまれなかったんだろうと思う。
自分が、子独楽ちゃんや因業ババを地獄に突き落とすきっかけを作っちゃったわけで。
その申し訳なさに、ババに手を貸さざるを得なかったんだ。
自分の罪を島民の前で告白するのは、辛いだろうな。
でも長さんの口から説明してもらわなきゃ、きっと誰も信じてくれない。
「では急いでここを出よう。浄火君、当主殿、村まで案内を頼む」
みんなが浄火を見た。
でも浄火はそれに全然気が付かない様子で、異形の泉をじっと見つめている。
(浄火・・・・・・)
なんか、やたらと思い詰めた顔してる・・・。
さっきから全然しゃべらなくなっちゃったし。
気持ち、すごく分かる。もちろんあたしもすごい不安だもん。
ババの計画を阻止して、無事に世界を守れたとしても・・・。
あたし達、どうなるの? 助かるの?
もしも助かる手段が無かったら・・・・・・。