神様修行はじめます! 其の四
それにしても、このツタでどうやって上まで行くんだろ?
見れば門川君や浄火は、近づいてきたツタに気おくれする様子もなく腰掛けた。
そしてそのまま素直に、すぅっと上へあがっていく。
その様子をあたしは感心しながら見上げた。
ほおぉ、なるほどなるほど! つまりスキーリフトの要領ね!?
オッケー分かった! カモーン、ツタ!
近付いてきたツタに、あたしは後ろ向きになってお尻をひょいと乗っけた。
―― ・・・ゴンッ!
そしてそのまま素直に引っくり返って、地面に頭を打ちつけた。
痛い・・・。後頭部が。
や、やだ。バランス崩して倒れちゃったよ。んもー、あたしってば恥ずかしー。
照れ隠しにひとりで笑いながら再チャレンジ。
カモーン、ツタ!
―― ・・・ゴンッ!
カ、カモーン! ツタ!
―― ・・・ゴンッ!
・・・・・・・・・・・・。
「なんなのいったい!」
なんであたしだけ、こんなに失敗すんの!? 門川君たちは簡単に乗れてるのに!
「天内のお嬢様、お早くお願いいたします」
後頭部を手でさすりながらツタを睨むあたしに、セバスチャンさんがニコリと微笑む。
微妙な黒さが漂うその微笑みに、あたしは確信した。
・・・これ、ワザとだ絶対。
トホホ。やっぱり復讐されてしまった。この程度で済んだのは不幸中の幸いだけど。