神様修行はじめます! 其の四
門川君が物も言わずに、音の聞こえる方へと走り出した。
ほぼ同時にセバスチャンさんも走り出す。
一瞬の間を置いて、浄火もふたりの後を追った。
そして最後に残されたあたしは、状況についていけずにポカンとその場に突っ立っていた。
・・・え? なに? なんで皆、急に走ってんの?
と、思っている間にも、どんどんあたしは置いてけぼり。
遠ざかる三人の背中が闇に紛れるのを見て、ようやく我に返った。
ち、ちょっと! 待ってよみんな!
薄暗い足元に注意しながら、危なっかしくバタバタと追いかける。
暗いせいもあるけど、なんだか体がフラついてうまく走れない。
地面が振動しているせいだ。
しかも走るにつれて、ズシンズシンと響く音と揺れが大きくなってきた。
何かに近づいている?
なんだろう? すっごく嫌な予感がするんだけど・・・。
―― ズシィ・・・ン!
「うわわ!?」
ひときわ大きな揺れに、あたしは転びそうになって立ち止まった。
バラバラと無数の小石が天井から落ちて、肩や頭に当たる。
態勢を整え、再び走り出そうと顔を上げた途端に・・・
あたしは、大口を開けて一歩も動けなくなってしまった。
そばで門川君たちも同じように立ち止まって、あたしと同じ物を見上げていた。
その表情には強い緊張と危機感が漲っている。
(・・・・・・なに? あれ?)