神様修行はじめます! 其の四
あたしも目の前のヘビを見上げる。
胸の中に、絶望に近い感情が嵐のように渦巻いた。
そんな、まさか・・・まさか本当に、ふたりは・・・!
「おおぉぉぉ・・・!」
振り絞るような呻き声が聞こえた。
長さんが地面にヘタリ込んで、戌亥とケツァルコアトルを見上げている。
その顔はセバスチャンさんに負けないほど真っ青だった。
ヘビの力。ヘビを使役する能力者?
あ・・・それって・・・・・・
(まさか!)
蛟一族の能力!?
戌亥には子作りマシーン一族の血が流れているの!?
「戌亥・・・ああぁ、戌亥・・・」
長さんのシワ深い目尻から、ボロボロと涙が流れ落ちている。
肩を震わせ、嗚咽しながら自分の孫に向かって懸命に呼びかけていた。
まるで自分の過去をまざまざと見せつけられ、その事実に痛めつけられているように。
その悲壮な姿は、悲しい事実を理解させるに充分だった。
・・・きっと長さんも昔、子作りマシーンの生贄に・・・。
なんて・・・こと。なんてことなの?
ああ・・・これはきっと。
きっとすべて、彼女が仕組んだ復讐なんだ。
娘に、子独楽ちゃんに水を飲ませた、長に果たした復讐・・・・・・。