神様修行はじめます! 其の四

怒りにまかせてそう叫んだ後で、凍雨君が「あれ?」と怪訝な声を出した。


「じゃあその島には、女性しかいないはずじゃ? なんで浄火さんが?」


「それは・・・・・・」



マロさんが言いにくそうに口ごもる。


お岩さんと塔子さんが、さらに忌々しそうに音をたててソバを啜り上げた。


凍雨くんが、不思議そうにキョロキョロとみんなの顔を見回す。



「どうせ島送りにされる女だから、あとくされの心配が無いと・・・」


「・・・と?」


「無理やり手を出す男も多いのでおじゃる。結果、身ごもり、島に来てからひとりで出産、と・・・」


「・・・・・・!?」


「そんな目に遭わされた女性も、常世島には多いのでおじゃるよ」


「・・・はあぁぁーーっ!?」



凍雨くんが思わず腰を上げ、頭のてっぺんから声を張り上げた。



「なんですかそれ! 生まれた赤ちゃんは、どうなるんですか!?」


「どうもこうも、そのままでおじゃる」


「そ・・・そのままって・・・」


「なぜか、そういった女性が産む子はまた、能力を持たずに生まれてくるので・・・」


「能力とかそんな問題じゃないでしょ!? 相手の男は罰せられないんですか!?」


「そういった女性自体に、人としての人権が認められていないのでおじゃるよ。つまり・・・」


「人間じゃない女性に何しようが、男はおとがめ無しって事ですか!?」


「そういう法に、なっているのでおじゃる・・・」


「そんなの法って言えないですよ!」

< 55 / 697 >

この作品をシェア

pagetop