神様修行はじめます! 其の四
怒りにまかせてそう叫んだ後で、凍雨君が「あれ?」と怪訝な声を出した。
「じゃあその島には、女性しかいないはずじゃ? なんで浄火さんが?」
「それは・・・・・・」
マロさんが言いにくそうに口ごもる。
お岩さんと塔子さんが、さらに忌々しそうに音をたててソバを啜り上げた。
凍雨くんが、不思議そうにキョロキョロとみんなの顔を見回す。
「どうせ島送りにされる女だから、あとくされの心配が無いと・・・」
「・・・と?」
「無理やり手を出す男も多いのでおじゃる。結果、身ごもり、島に来てからひとりで出産、と・・・」
「・・・・・・!?」
「そんな目に遭わされた女性も、常世島には多いのでおじゃるよ」
「・・・はあぁぁーーっ!?」
凍雨くんが思わず腰を上げ、頭のてっぺんから声を張り上げた。
「なんですかそれ! 生まれた赤ちゃんは、どうなるんですか!?」
「どうもこうも、そのままでおじゃる」
「そ・・・そのままって・・・」
「なぜか、そういった女性が産む子はまた、能力を持たずに生まれてくるので・・・」
「能力とかそんな問題じゃないでしょ!? 相手の男は罰せられないんですか!?」
「そういった女性自体に、人としての人権が認められていないのでおじゃるよ。つまり・・・」
「人間じゃない女性に何しようが、男はおとがめ無しって事ですか!?」
「そういう法に、なっているのでおじゃる・・・」
「そんなの法って言えないですよ!」