神様修行はじめます! 其の四
(因業ババ、あんたはバカだよ! 長さんは子独楽ちゃんを、あんたを助けたかっただけなのに!)
心の中でそう呼びかけながらも、あたしは悟っていた。
そんな事は彼女だって、充分に分かっているんだ。
分かっていても、それでも、それでもどうしても・・・。
―― ズウ・・・ン・・・!
(・・・え?)
突然、自分の体が重くなった。
見えない鉄の鎧でも装着したみたいに、体全体がズシッと重くてたまらない。
指先やつま先にまで重石を乗せられてるみたいだ。
(な、なにこれ? 急にどうなってんの?)
仲間達もみんな、顔を歪ませて立ち尽くしている。
体の重みのせいで、誰もその場から一歩も動けない。
「どうだ? オレ達の術は」
村人たちが揃って両手で印を組んでいる。
「この力が役に立たないかどうか、その身に確かめさせてやる」
これって神の一族の能力なの!?
お、重い! どんどん体が重くなって、自分の体を支えきれない!
耐えきれずに、その場にベタンと座り込んでしまった。
頭が重くて顔を上げていられない。ガクッと首と肩が垂れてしまう。
うおぉぉぉ、頭が、頭が信じられないぐらい重いぃ!
軽量でコンパクトなのだけが自慢の頭だったのに、こんなに重くなるなんて!
―― ズウン・・・!
さらに体にかかる重みが増した。
あたしは歯を食いしばり、息を詰めて耐えようとしたけど、とても抵抗しきれない。
体が二つ折りになって、そのまま地面に倒れてしまった。