神様修行はじめます! 其の四
「心配すんなって! オレが絶対なんとかしてやっから!」
ただひとり、元気な声を張り上げる男。
新しい長となった浄火は、明るい表情で村人たちを見渡した。
「オレがこの島を、みんなの命を守ってみせる! 約束だ!」
「浄火・・・・・・」
「黙ってオレについて来いって!」
自信に満ちた力強い言葉。堂々と胸を張って断言する態度。
・・・そんな事を言ったところで、安心できる根拠なんてどこにも無いのは、みんな承知の上だろう。
それでも浄火の言葉には不思議と、信じられる力があった。
これが浄火の持つ力なんだ。
異形に頼って手に入れたものじゃなく、彼自身が持つ、本当の力。
村人達は、そんな浄火に一縷の希望を抱いたようだ。
みんなが落ち着き始めたのを見て、浄火は宣言する。
「これから長としての初仕事だ。ちょいと島を救いに行ってくるぜ! だから・・・」
声のトーンが、落ちた。
「長と戌亥を・・・頼む」
村人たちは一同揃って浄火を見つめ、うなづいた。
「分かった。後の事は俺たちに任せてくれ」
「しっかり頼むぞ浄火!」
「おれたちの新しい長!」
浄火は大きな声ではっきり「おう!」と答えた。