神様修行はじめます! 其の四
「・・・・・・」
門川君は、ゆっくりと唇を離した。
そして驚いたような表情で自分の胸に手を当てる。
「あぁ、そうか。そうなんだ」
かけがえのない物を確かめるように、彼は胸に手を当てたまま、何度もうなづいた。
「僕は、こんなに君を愛しているんだ」
・・・・・・。
その、言葉が。
この世界で、この地球上で、飽きるほど繰り返されてきただろう言葉が。
震えるほどにあたしを幸せにする。
指の先まで、幸せが満ちていく。
この感情をなんと表現すべきなんだろう。
この時を。
この自分を。
この愛しい人を。
あたしは、何と表現すればいいんだろう。
目の前の愛しい人が、至上の幸福を手に入れたような表情であたしに告げる。
「僕と結婚してくれ。天内君」