神様修行はじめます! 其の四
「しま子・・・」
「うあー、うああーー」
両手の指をモジモジさせて、オズオズと背中を丸めている。
まあるい目が、ショボンとあたしを見つめていた。
『スネたりしてごめんね? 許してくれる?』
そう語りかけているのが、しま子の様子からはっきり伝わってきた。
許すもなにも、悪いのはこっちの方なのに。
あたしは思わず笑顔になって大きな体を見上げる。
「こっちこそゴメンね。許してくれる?」
「ああううぅ~~」
「うん。じゃ、仲直りだね」
「うああぁーーー」
ほんわりと嬉しそうに笑うしま子の可愛い顔。
言葉の通じないしま子と、こんなに分かり合える。
素直になれる。通じ合える。
なのに・・・・・・
「アマンダ、お疲れでしょう? さあ、中に入って休みましょう」
「あ、う、うん」
沈みかけた思考が、お岩さんの一言で遮断された。
あたしは救われたような気持ちになって笑顔を向ける。
だめだめ! 勝手にこんな暗黒思考ループに陥ったりしたら!
あたしの門川君への気持ちはもう決まっている。
なにがあっても揺るぐことなんてないんだから。
この気持ちさえあれば、なにも迷うことなんてないんだもんねー。うん!
あたしは意識的に気持ちを明るく切り替える。
そしてみんなと一緒に屋敷の中へと入っていった。