神様修行はじめます! 其の四
「病人の看護は、身内の者に任せるのが一番だ。さ、オレ達はあっちに行こうぜ」
「ちょ、手ぇ握らないでよ!」
「ちょっとあなた! アマンダをどこへ連れて行く気ですの!?」
「岩さま! さあ一刻も早く部屋で安静にしねえと!」
グイグイと背中を押され、お岩さんは屋敷の奥へ。
あたしは浄化に強引に外へ連れ出されてしまった。
しま子が慌てて後を追って駆け寄って来る。
あたしを取り返そうと、浄火に向かって牙を剥きながら唸り声を上げた。
「うがあぁ!」
「お、あの時の赤鬼か。ちょうどいい。お前に謝りたかったんだ」
「ううぅーーー!」
「お前、里緒の大事な仲間なんだってな。そうとは知らずにひどい事してごめんな」
「ううぅー・・・」
「もう二度としないよ。約束する。本当にごめんな」
「・・・・・・・・・・・・」
浄火の言葉を聞いているうちに、しま子の唸り声が徐々に消えていった。
大きな丸い目が、浄火をじーっと見つめている。
やがて攻撃の気配が消え去って、しま子はすっかりおとなしくなってしまった。
・・・しま子?
面食らっているあたしの横で、浄火が笑う。
「赤鬼、お前も一緒に散歩しようぜ。さあ行こう」
あたしの手が浄火の大きな手に包み込まれる。
固くてがっしりとした感触の、意外にも温かな手の平の感触。
異性に手を握られて、不覚にもあたしの心臓はドキッとしてしまった。
・・・なに反応してんのよ! あたしのバカ!