神様修行はじめます! 其の四
「それならば安心でございます。ところで浄火様とは、どの様な会話をなさったのですか?」
「会話・・・ですか?」
「はい。差しつかえなければ、ぜひお教え下さい」
いや、差しつかえは全然ないけど・・・。
絶対あたしと結婚したいって内容の会話でした。
とは、さすがにちょっと言いにくい気がする。
うーん、困ったな。なんて言ったらいいのか・・・ あ、そうだ。
「常世島のことを話していました」
「常世島・・・ですか?」
「はい。何も無い、寂しい島だって。あと、両親はとっくに亡くなっているって言ってました」
「さようでございますか」
「あと、ここの景色にすごく感動してました。島のみんなにも見せて、元気づけてあげたいって」
「・・・・・・・・・・・・」
セバスチャンさんは、あたしの言葉に何か考え込むような素振りを見せる。
でもすぐに表情を変え、笑顔で話題を変えた。
「お嬢様、湯の用意ができておりますので、どうぞ」
「あ、はい。ありがとうございます」
「後でこちらにお食事をお持ちいたします。今日はごゆるりとお休みくださいませ」
そう言って丁寧に頭を下げ、セバスチャンさんは下がっていった。
お風呂と聞いてちょっと気分が浮上する。
ここのお風呂ってすごく広くて、とっても気持ちいいんだよなあ!
「しま子、さっそくお風呂に入りに行こっか!」
「うああぁ~」
しま子が入れてくれたお茶をグイッと飲み干し、あたしは元気に立ち上がった。