神様修行はじめます! 其の四
・・・・・・・・・・・・!
信じられない状況に、あたしの顔は引き攣って口からは絶叫がほとばしる。
ヒッ!? じ・・・じ・・・・・・
「浄火ぁぁーーーーー!?」
「・・・やべっ!」
窓の向こうで浄火が慌てふためいている。
その数十倍パニックになりながら、あたしは両手で体を隠した。
ギャー! ギャー! いやぁー!
あ・・・あ・・・あんたって男はぁぁー!
「変態! 痴漢! 除き魔! エロ男!」
石鹸をつかみ取り、ブンッと窓に向かって投げつける。
―― ガツーン!
石鹸は小気味良い音をたて、見事に格子の間から浄火の眉間にクリーンヒット。
浄火はのけ反り返って、ドサッと地面に倒れる音がした。
あたしは手桶で湯を汲み、窓へ向かってザバザバぶっかける。
この! この! こんのおぉぉーー!
「うわ! 熱っ! あぢぢぢ!」
「とっとと消えろ! 二度とあたしの前に顔を見せるな! 今度会ったら、その日があんたの命日よ!」
マジで・・・・・・殺す!
「うわーーー!」
悲鳴を上げながら浄化がバタバタ逃げていく気配がする。
ほ、ほんとに、信じられない!
ちょっとだけでも不遇な身の上に同情したあたしがバカだった!
あいつにはこれっぽっちも、そんな価値なんか無い!
うぅ、門川君・・・・・・
見られた。門川君以外の男の人に、見られちゃったよぉ・・・。
・・・ばか・・・。
「ばっかやろおおぉぉーーー!」
涙交じりの怒声を全力で吐き散らし、あたしは鼻を啜って唇を噛んだ。