神様修行はじめます! 其の四
誰? どこの常識知らず?
と驚いて見上げた先に・・・・・・
「おはよう里緒。探したぜ」
明るい笑顔でニコニコと、浄火が突っ立っていた。
こ、こいつ!
昨日の今日だってのに、悪びれもせずに平然と!
「よ、権田原もおはよう。ゲリ、治ったか」
「ゲ・・・あ、あなた! 重病人の、しかもレディの部屋にノックもせずに!」
布団からガバッと起き上がり、お岩さんが怒鳴った。
「ノックって何だ?」
「人間として必要最低限の礼儀ですわ! あなたに一番足りない物ですわよ!」
「おー、見ろよ。今日もいい天気だぞー」
「人の話聞いてますの!?」
お岩さんの怒りをサラッと流して、浄火はあたしの目の前に立つ。
腰に手をあて仁王立ちしながら、偉そうに命令してきた。
「さあ、朝飯の前にひと仕事片付けるぞ。働かざる者、食うべからずだ」
「あ、あんたはぁぁ・・・・・・」
「まず、牛とニワトリのエサと水やりだな。それから小屋から出して・・・」
「いったいその頭は、なに考えてんのよ!?」
「ん? 牛とニワトリのエサのことだ」
「今度その顔見せたらぶっ殺すって、あたし宣言したよね!?」
なのにぜんっぜん、ひとっかけらも反省してないわね!?
よおーし分かった! 今日があんたの記念すべき命日よ!
立派な戒名付けてやるから、安心してあの世に旅立てぇい!