泣きたい夜には…~Hitomi~
私は首を振ると、
「だって私は自由を勝ち取るために医師になることを選択したんだから」
慎吾は私をじっと見つめた。
一点の曇りのない眼差しは全てを見透かされてしまうようで怖い。
慎吾は私を見つめたまま、ゆっくりとベッドから体を起こして、
「理由…聞かせてくれないか?無理にとは言わない。途中で辛くなったら止めてもいいから」
その言葉に、ドクンッ!と心臓が跳ね上がり、心がざわめいた。
心を落ち着かせるべく、慎吾の隣に仰向けになった。
天井を見つめ、気持ちを整理し、ゆっくり起き上がる。
「わかった…いいよ…」
目を閉じ、大きく深呼吸をした。
1回、2回と呼吸を繰り返し、再び目を開けた後、重い口を開いた。
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