泣きたい夜には…~Hitomi~
「ドクターヒトミ、折り紙教えて!」
アメリカに来たばかりの頃は、慣れない英語でコミュニケーションを取るのが難しくて、子供達の心を掴むために考えたのが折り紙だった。
日本から持ってきた色とりどりの色紙は子供達の興味を引き、何の変哲もない正方形の紙が鶴や風船、箱等に姿を変えていく様子に感動が生まれ、自分も折ってみようという意欲へと変化していく。
「はい、ここを半分に折って。そうそう上手上手!そうしたらこうやって広げて、はい、出来上がりー!あ、すごい!できたできた!!!!」
上手く作れなくても完成したものは宝物。
「やったぁ!でーきたぁ!!!!」
この達成感が、喜びが、諦めない心を強くする。
病気に打ち勝つ原動力になる。
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